Make an expedition to The TOKYO
(July.2003)


SETO'S REPORT

東京遠征2003

「ドタバタ出発 その2」

途方に暮れながら自分の乗っていないバスをお見送りして、ぐったりする。

これをカメラか何かで追っていたのなら、去っていくバスを呆然と見た後に

タップリと間をとり、カメラ目線で

「なんだばかやろー。」

と、荒井注的な言葉を発したであろう。



先ほどはずれた卓袱台のひもをブラひもを定位置に戻すが如く直し、

右肩君に卓袱台、左肩君にドラムバッグを背負う。

改めてその両肩に掛かる重さを実感しながらも、

東京行きの方法を、その時点でなんとか軌道修正しようとしていた。



とりあえず駅の正面に戻り煙草に火を付ける。

落ち着くかと思ったがさほど変わらない。

そのショック具合が計り知れる。


とにかく、今回お邪魔する小野邸にいるであろう秘書スズキさんに

電話で予定変更を伝える。


「どうも、京都の瀬戸です。予定が少し変わりまして、

  新幹線で行くことにしました。」

「あー、良かったですね、バスだと凄く疲れますもんねえ。」


状況を全く知らせていないので、むしろ良い結果になったと勘違いされるが、

もはや、そのぐらい言ってもらわないと救われない気分になる。


「とりあえず新幹線のチケットを買ってから

  時間がわかり次第またご連絡します。」

ス「ハイ、わかりました。」


全く持って、普通のちょっとした予定変更の連絡程度の会話になってしまった。


しかし、足下フラフラ、肩は重さで激痛、頭はショック状態、汗でビショビショ。

とにかく休憩だ。


今思い返せば如何に、ばてていたかがわかるのが、

そのままみどりの窓口のベンチにひたすら座って休んでいたということだ。

喫茶店でも入ればいいモノをそれすら出来ないような状態。

キオスクに行き、スポーツドリンク500mlを購入。

これを半分ぐらい一気飲み。

さすがに全部は無理だった。スマン松田優作。

ようやく、少し回復した気がした。




「別に良いよ。」


前回、家でにーちゃんに電話したと書いたが、

このみどりの窓口から電話したのを思い出した。


みどりの窓口で整理券をとって待つ。まるで銀行みたい。


順番が来たので、ひかりの自由席を頼む。

卓袱台がデカイので、これを持ち込んで良いのかを確認。

あっさりと、「いいですよ。」と返答をもらう。

いいですよって、どこに置くんだよ?と思いながら

「死んでも知らんぞ。」とアミダババアの如く問いただしたかった。




作詞作曲:桑田佳祐



駅までのタクシー代、改めて購入の新幹線代、

既にその時点で今回の予算の半分をつぎ込んでしまう。

「おいおいこれは向こうに行っても大丈夫なのか?」

確実に中野ブロードウェイ行きは無くなったと確信した。

地獄の沙汰も金次第なので相当不安に駆られる。

SEIKOを見ると、既に13:45。

1時間はみどりの窓口で無断休憩していたことになる。


ようやく動く気になってきたので、新幹線乗り場に向かう。

14:00にひかりが来るようなので、

既に自由席に乗り込む所には、人が結構並んでいる。

一本送らせて、一番最初に並ぶことにする。

助六(\600)を買って、少しだけエネルギー補充。


14:27のひかりがやってきた。

思惑通り一番前に並んでいたので、

席も車両の一番前の席という願っても無い席。

なんといっても卓袱台が相当邪魔なので、

ここしかないと狙っていたのだ。

ようやく、東京に向かう感じがしてきた。


なにしろ私は、この手の移動時に寝るということが出来ない。

学生の頃に一度英国に行ったのだが、

その時の飛行機では周りのお客にも助けられ見事にノー睡眠地獄を喰らう。

だから徹夜をこなしてのバス搭乗を目論み

念願の移動時の睡眠に備えていたのだが、その夢も儚く消えた。

バスでの長時間移動の予定だったので、寝られなかった時用に

長時間をどうこなすか悩んでいたのだが、

とりあえずCDをケースにビッシリ入れてきたので音系は大丈夫。

文字系も普段は全くと言っていいほど読まないお馬鹿さんなので、

こういう時ぐらいは読む気力が湧いているのだ。

百瀬博教著「不良ノート 上」と

友人に借りていた立花隆著「100億年の旅」(寝られそうな内容))

をカバンに忍ばせていたのだ。


しかし、新幹線なので、京都〜東京間は2時間45分程度。

とりあえず、更に体を休めておきたいので寝ることは出来ないであろうが、

CDを聞きながら目を瞑り運動状態「0」にすることにした。

運が良ければ寝ているだろう。


その選んだCDはaikoだ。

私にとってはとても珍しい選曲。

聞き慣れた曲を聴くよりも今まで聞いていないモノを

聞くのが楽しみでしょうがない。


しかし、aikoなる人は誰かに似ていると前から感じていたのだが

そのかわいいレベル、歌の感じ山下久美子を平成で変換したら

aikoが出てきたという感じがするのだ。(かなり違うが昭和と平成の差であろう)

そう、「平成の山下久美子」である。




aikoは、ちっちゃいねえ。



久美子も、でかくは無い。


1枚CDを聞き終えたのだが、案の定、睡眠には至らなかった。

じゃあ、もう1枚aikoを聞きながら、「不良ノート 上」を読もうと気合が入る。

途中まで読んでいたので、東京までには読み終えるだろう。

「フムフム、ホホー」

なるほど百瀬氏の、この記憶力尋常では無い、あり得ない。

しかも、英国に行っているらしいのだが、百瀬氏が泊まったホテルは

もしかしたら私も泊まったホテルかも知れ無い。

この辺が、百瀬氏の記憶力の凄さと、私の普通以下の記憶力の差だろう。

しかし、なにか親近感が勝手に湧いてきた。


気づいたら、既に横浜を超えていた。

あと15分で東京に上陸。

「あれえ、本を読み終えていないぞ?」

そうなのだ、夢にまでみた移動時の睡眠の手前、

「ウトウト」で明らかに読むペースが落ちていたのだ。

しかしあと15分でこの新幹線から降りなければならない。

むしろここからは逆、寝ないように努力する羽目になる。

しかも冷房がキツイので、少し悪寒が走る。

寒くてしかも寝てはいけない環境。なんか雪山で遭難したみたいだ。




※イメージ画像



「ヤバイ、東京行って風邪で寝込む事なんて出来ない。」

そこで登場、スポーツタオル。

女子が使用するストールのように、膝に掛けて体温調節。

おー、なんとか大丈夫そうだ。


そうこうしているうちに、「東京〜、東京〜」のアナウンス。

いよいよ来たぞ、「眠らない都市、東京」(昭和的表現)

しかし、私はぐっすり眠りたい。

新幹線を降りて、目指すは「某駅」。

さらに電車を乗り継ぎ某駅に到着。

駅を出て、前回来た時の道を何となく思い出す。

「こっちだよなあ」、と「ダイスキ」のロケのようにぶらりと歩いていく。


あった!これだ!

小野邸かどうかを博士夫人の愛車を見て確認する。

18:05

やっと到着した!

「ピンポーン」

呼び鈴に着いているカメラに向かい有る程度の笑顔を用意する。

しかし、思い返すと絶対笑顔にはなっていなかったはず。

「はい、どうぞ」と、スズキさんが返事。

(もう記憶曖昧、意識朦朧、博士夫人だったかも知れない)

「こんばんは〜」と京都弁調を逆に意識して挨拶、共に扉を開ける。

ようやく、この旅のベースキャンプに辿り着いた。

フー。

つづく


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